コロナウイルス感染拡大予防のため本年の盂蘭盆法要は住職単独にて勤めさせていただきました。
例年多くの檀信徒の方にご参加いただいておりますが、こんなに寂しい盂蘭盆会は私の人生初めてのことです。
いや、平安初期創建の円融寺史上初めてのことかもしれません。今まさに時代の大きな転換期に生きていることを実感する1日となりました。
コロナウイルスは単なる疾病だけの問題ではなく、社会の様々な問題や人間の悩み苦しみを浮き彫りにしています。人類全体が苦境に立たされているというのは事実ですが、これまでやり過ごしてきた社会の矛盾に向き合い、旧時代から新時代に向けて、全く新しい発想で素晴らしい人間社会を創造する時代の幕開けを
迎えているのではないでしょうか。
先行きの見えない今の世の中で何が正しい間違っていると人と人とが対立するのは不毛です。答えの出ない未知の事態を前に、急がず慌てずじっと待つ力が大切です。そういう時こそ人は寛容になれるのです。人と人とが素直になって理解し合い、助け合う中で、新しい最善の道は自ずと開かれていくのだと思います。
檀信徒の皆様、世界中の全ての方々の益々のご健勝とご発展を心よりご祈念申し上げます。
円融寺住職
阿 純章